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執筆者の写真杉山 慶彦

脊柱管狭窄症の痺れを3週間で大幅改善(67歳男性・会社員)

更新日:8月9日

症状ときっかけ

夏に向けて2週間前から腹筋を割ろうといつものトレーニングメニューを少し変えてお腹を集中的に鍛えていました。 金曜のトレーニング後は特に違和感がなかったのですが、日曜の朝起きるとじっと寝られないくらいの足腰のしびれと痛みが現れ、整形外科を受診したところ、脊柱管狭窄症と診断されました。

医師から、原因は加齢に伴うものだとして、しびれや痛みを緩和するための薬(リリカなど)の処方と、コルセットの着用、松葉杖の使用による安静を指示されました。 しかし、これらの治療法で症状の改善が見られず、痛みやしびれは続いていました。

ご本人様は、ご両親の介護もされているため、一刻も早い回復を望んでおり、通常の保存療法による回復を待つことは難しい状況です。そのため、より積極的な治療を求めて、当院にご来院されました。


Tさんの主な症状

  • 左腰に激しい痛みと痺れを感じており、左足をまっすぐ伸ばして寝ることができません。

  • 左のお尻から足の付け根にかけて焼けるような痺れが走り、歩くたびに痺れが強くなり、数歩で歩くのを止めてしまうほどです。

  • 松葉杖の使用により、巻き肩が悪化し、左肩にも痛みが出ています。


T様のレントゲン写真

脊柱管狭窄症のレントゲン写真

こちらは、横から見た画像です。

矢印の部分が、整形外科で前方に変位していたといわれた場所です。

背骨のレントゲン写真

こちらは前後から見た画像です。

前後では、背骨のズレを確認することはできません。

カイロプラクティックの施術風景

施術後の経過 初診(6月21日)

  • 原因: 筋トレ後に脊柱管狭窄症を発症されたとのことでした。 これまでのトレーニング方法を詳しく伺った結果、筋トレでここ数週間は腹筋など前側ばかり筋トレしている事が判明しました。 身体の前面の筋肉が過度に緊張し、背骨に付着している部位が前方に引っ張られ続けることで背骨のバランスが崩れ、神経に干渉してして今回の症状につながったと考えられます。

  • 症状:痛みと痺れが左腰から左足にかけて広がり 、痛みレベルは10段階で10~8と非常に強い状態でした。

  • 治療方針:初回は症状の詳細な把握と今後の治療方針についてご説明しました。


2回目(6月22日)

  • 新たな問題発見:松葉杖の使用による疲労が左肩に蓄積され、それが腰に負担をかけていることがわかりました。肩の治療を行うと一時的に腰の痺れが消失することもあり、腰以外の部分にも症状が広がっていました。


3回目(6月23日)

  • 治療内容:前回の治療効果が良かったため、同様の治療に加え、骨盤の治療を行いました。

  • 新たな発見: 骨盤の治療によって一時的に症状が悪化するという現象が見られました。このことから、症状の改善と悪化のパターンが明確になりつつありました。

4回目(6月26日)

  • 治療内容: 前回の骨盤の治療で症状が悪化したため、股関節全体の治療を行い、バランスを整えました。

  • 患者さんの変化:治療の効果により、鈍っていた感覚が戻り始めご自身の体が緊張していることを自覚できるようになってきました。


5回目(6月30日)

  • 症状の変化:  痺れと痛みが軽減し始め、背骨の動きを感じられるようになってきました。

  • セルフケア:身体を自分で動かしても大丈夫そうなので、お腹にクッションを入れて背中を丸める体操を開始し、背中の緊張を緩めるよう指導しました。


6回目(7月4日)

  • 症状の変化: 松葉杖なしで歩けるようになり、背骨を動かす感覚は維持されていました。


7回目(7月10日)

  • 症状の変化:腰の痛みと痺れはほぼ消失し、左のお尻から左太もも内側の痺れが主な症状となりました。

  • セルフケア:インナーマッスルのバランスを整えるための新たなセルフケアを指導しました。

  • 治療効果:3週間で痛みレベルが8から1.5まで大幅に減少しました。


8回目(7月17日)

  • 症状の変化:左側の痺れや痛みはほとんどなくなってきました。

  • 新たな発見:2年前にロードバイクで走行中沿道から人が飛び出し、避けた際に衝突落車をしたため右の骨盤を複雑骨折しており、左の症状が治ってきた事で右側が気になり始めました。


9回目(7月24日)

  • 症状の変化:左足腰の痺れはなくなり、腰の緊張感だけが残っている状態になりました。

  • 今後の方針:左側の症状はなくなったので、腰の緊張と右の後遺症の治療を今後はしていきます。


まとめ 筋トレが原因で発症したと思われる脊柱管狭窄症に対して、カイロプラクティックとセルフケアを組み合わせることで、痛みや痺れが大幅に軽減しました。 特に、背骨のバランスを整えるための体操や、インナーマッスルの強化が効果的であったと考えられます。今後は、残る症状の改善に向けて、治療を継続していきます。

(上記はあくまで治療経過の例であり、個々の症状や体質によって治療効果は異なります。)


担当からのコメント

病院で脊柱管狭窄症と診断された場合、多くの場合、症状を悪化させないことを最優先に、保存療法と呼ばれる治療が行われます。具体的には、炎症を抑えるための痛み止めの服用や、背骨を固定するコルセットの装着などが一般的です。

T様も薬で痛みが改善せず日常生活に支障が出ており、心身ともに辛い状態でした。特に、ご家族の介護をされているT様にとって、1日でも早く回復するのを望んでいました。 しかし、脊柱管狭窄症による痺れは、その原因が複雑で、専門的な知識と技術が必要なため、原因の特定が難しいケースも少なくありません。 また、症状も一人一人異なり、立ち上がることが困難になったり、寝返りが打てなくなったりと、様々なパターンがあります。 そのため、一般的な整体やマッサージ店では、治療を断られることもあります。 当院では、このような複雑な症状に対して、専門的な知識と技術を用いて、一人ひとりに合った治療を行っております。

脊柱管狭窄症でお悩みの方は、一度ご相談ください。


脊柱管狭窄症の治療経過と考察

T様は、腰を左後方に倒すと痺れと痛みが強くなり、数歩歩く度に左足に痺れが出る間欠跛行の症状を訴えられていました。 これらの症状と、問診で伺った腹筋などの筋力トレーニングを集中的に行っていたことから考えられるのは脊柱管狭窄症でした。ですが、その他にも筋肉、筋膜、腰や股関節などの関節にも問題があり症状の原因は複雑化していました。


治療方法は、脊柱管が狭まっている部位を広げる治療を行うことで血流が改善し、痺れの症状が大幅に改善しました。 しかし、脊柱管狭窄症になると痛みや痺れから逃げるために、無理な姿勢を続けることが多いです。そのため他の部位に症状を引き起こすことがあります。

T様の場合も、松葉杖の使用で首肩が凝り固まり、右の脇腹にも過剰な緊張が見られました。 このような、元の症状にプラスして新たな症状が出てくることを、私たちは「症状の複雑化」と呼んでいます。 症状が長期化すると、この複雑化が起こりやすく、治療が難しくなることがあります。 そのため、症状が出始めたら、早めに専門家にご相談いただくことが重要です。

今回のT様のケースでは、病院での診断と当院でのカイロプラクティック治療を組み合わせることで、早期回復に繋がりました。 T様も、「整形外科とカイロプラクティックを組み合わせることで早期回復が望めた」と仰ってくださいました。これは、病院のレントゲン画像を参考にしながら、当院での施術を行うことで、より正確な治療ができたためと考えています。


T様が、「整形外科とカイロプラクティックを組み合わせることで早期回復が望めた」とおっしゃられていましたが、まさにその通りです。

実際に、私もレントゲンを見れたおかげで検査や施術の正確性が向上しました。


今後もカイロプラクティックができることで最善を尽くして皆様に還元していきます。


カイロプラクター杉山


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